t>

高市早苗首相は11日、東京都内で開催された「安倍晋三元総理の志を継承する集い」に出席し、安倍氏の功績を称えるとともに、自らの決意を表明した。発言の全文は以下の通り。
皆さま、こんにちは。本日はお招きを賜り、ありがとうございます。まず、冒頭、この集いを毎年開催してくださっている櫻井よしこ先生をはじめ、実行委員会の多くの関係の皆さまに心からの敬意を表しますとともに、深く深く感謝を申し上げます。ありがとうございます。
第1回の集いで、私は申し上げました。「安倍総理の代わりになる人なんていない」。その思いは今も変わりません。いや、自ら首相の重責を担うこととなった今、一層その思いは増しております。
先週訪れたインドでは、モディ首相が、「日米豪印の『クアッド』の枠組みは安倍総理の遺産である、そして、成し遂げられた数々のご功績を誇りに思う」と仰ってくださいました。
3月に訪れたワシントンでは、トランプ大統領の執務室に安倍総理の写真が飾られていました。「シンゾー、シンゾー」、トランプ大統領は、いつも懐かしそうに語られます。強固な日米同盟を、お亡くなりになってもなお、安倍総理が支えてくださっている、そう実感します。
先ほど、櫻井先生からお話がございましたが、この4年間で、日本を取り巻く環境、そして世界の情勢も大きく変わり、非常に厳しい状況になってきております。しかし、フランスのマクロン大統領、ポーランドのトゥスク首相、ブータンのトブゲイ首相、安倍総理の友人たちが、今も安倍総理との深い友情をベースに、日本をとても大切に思ってくださっています。
5月に訪日されたアルバニアのラマ首相は、安倍総理に直接お会いになったことはないと思いますが、安倍総理のイニシアチブが西バルカン地域の平和と発展に貢献しているということで、心からの弔意と深い敬意を示してくださいました。
私は、まだ首相に就任して8カ月余りでございますが、もう、本当に言い尽くすことができないくらい、安倍総理が日本国と日本人のために残してくださったご功績の大きさを実感しています。
朝、首相執務室に入りますと、奥のソファに安倍総理が座っておられるような、今も毎日、そのような感覚になります。閣僚や政調会長だったときに、たびたび執務室に伺いましたが、安倍総理は、いつも決まって奥のソファに座っておられました。そして、私自身は、なかなかそのソファの位置に座るのは恐れ多く、ソファの別の場所に座らせていただくことはたびたびございますけれども、それでも、執務室の執務机の椅子に座って、周囲を見渡しますと、安倍総理はこの同じ風景を見ながら、毎日、どんな思いで国政に臨んでおられたんだろう、ふと、そんなことを思います。
アベノミクスの大胆な金融緩和から始まって、集団的自衛権の一部行使容認、戦後70年談話、ロシアとの平和条約交渉など、安倍総理は、国論を二分するような課題に果敢に挑戦してこられました。挑戦すれば、厳しい批判を伴います。私も今、首相として、その重責を日々感じています。
例えば、(武器輸出を非戦闘目的に限定する)「5類型」の撤廃、中東情勢対応、経済財政政策の大転換。たくさんのご批判をいただきながらも、先に申し上げた3つは、なんとか成し遂げ、この後、また新たな挑戦を続けていかなければなりません。しかし、どんなに批判があっても、挑戦しない国に未来はありません。
安倍総理の代わりは、私には到底務まりません。比較されてはご批判ばかりをいただく日々でございます。性格も能力も、仕事の進め方も、安倍総理と私では全く違います。「I am who I am」、私は私、と開き直りながらも、やはり苦悩の中におります。それでも、安倍総理のように闘う政治家でありたい。そうあらねばならないと、自らに言い聞かせております。
(安倍)昭恵さんも、ずっとずっと闘い続けておられます。たくさんの場所で、外交活動を今も展開されている。日本各地に出かけていって、たくさんの方と会話を交わしてくださっている。誰よりも深い悲しみの中にいながらも、本当に安倍総理の志を継ぐために、そして、まいた種が育つように、一生懸命、一生懸命、取り組んでくださっている。ありがたいことだと思っております。本当にありがとうございます。
安倍総理がお亡くなりになってから、この7月を迎えますと、心底寂しい気持ちになります。それは、梅雨時の灰色の空と無関係ではないかもしれません。しかし、いつしか梅雨は明けて、夏に移る。7月はそういう月でもあります。真夏の快晴の空、見渡す限りの青空を見上げると、本当に晴れ男だった安倍総理のことを思い出します。そうすると、「そう自信のないことを言ってちゃ駄目だよ。顔を上げて、前を向いて頑張れ」と、安倍総理の声が空から聞こえてくるような気がいたします。こうして、安倍総理の志を継承していこうとされる皆さまと、このように同じ時を過ごす7月はそういう月でもあります。
全ては国家国民のため、そして、今を生きる日本人だけではなく、未来を生きる日本人のため、皆さま、共に力を尽くしてまいりましょう。安倍総理の御霊が安らかならんこと。そして、昭恵さんはじめ、ご遺族の皆さまがご健康でありますように。そして、今日お集まりの皆さま、リモートで参加の皆さま、皆さまのお幸せをお祈り申し上げます。誠にありがとうございました。