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日本製鉄は、約2兆円を投じて米USスチールを買収し、世界粗鋼生産量第3位に浮上した。買収完了から1年が経過し、赤字が続いていたUSスチールの立て直し計画が具体化しつつある。同社は2025年度中にUSスチールの営業黒字を1000億円規模に引き上げる目標を掲げており、さらに上振れ余地もあるとみられる。
国内市場の縮小や中国経済の減速リスクが高まる中、日本製鉄は高級鋼へのシフトとグローバル展開を成長戦略の柱に据えている。特に北米市場は自動車用高張力鋼板や電磁鋼板など高付加価値製品の需要が堅調で、USスチールの既存設備を活用しながら収益性を向上させるシナジーが期待される。
立て直しの具体策として、日本製鉄はUSスチールの生産工程におけるコスト削減や歩留まり改善、高炉の効率運転などを進めている。また、日本製鉄が持つ高級鋼の製造技術や品質管理体制をUSスチールに移植することで、従来は赤字だった高級鋼分野での収益化を加速させる計画だ。
アナリストの間では、USスチールの収益改善が順調に進めば、2026年度にはさらに上振れする可能性も指摘されている。為替の円安効果や米国におけるインフラ投資需要の拡大も追い風となり、日本製鉄のグローバル戦略全体の加速につながるとの見方が強い。
日本製鉄の経営陣は「買収後1年で見えてきた改善の手応えは想定以上」と評価しており、今後はUSスチールを足がかりに北米でのさらなる事業拡大も視野に入れる。大型買収の真価が問われる局面で、同社が描く成長シナリオの実現性が問われている。