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FIFAワールドカップ2026の日本初戦、強豪オランダ相手に劇的な引き分けを収めたサムライブルー。試合終了直後、東京・渋谷のスクランブル交差点は歓喜の渦に包まれた。午前7時という早朝にもかかわらず、集まった数百人のサポーターは一斉に声を上げ、ハイタッチを交わし合った。だが、その熱気とは裏腹に、周囲の目を引いたのは意外なほど秩序だった行動だった。
交差点の中心で飛び跳ねる若者たちの群れ。彼らは試合のハイライトをスマートフォンで再生しながら、サッカーの応援歌を合唱する。後ろから押されるような圧迫感はあるものの、誰一人として信号を無視して道路に飛び出す者はおらず、警察官の誘導に従って歩行者用信号が青に変わるのを待つ姿が目立った。
「オランダ戦で引き分けられて、本当に嬉しい。でも、朝早くから騒いでいるのはわかっているので、最低限のマナーは守りたい」と話すのは、大学2年生の男性(20)だ。彼は友人3人とともに交差点の端で声を潜めて談笑しながら、通りかかる通行人にぶつからないよう気を配っていた。こうした意識の高さが、今回の集まりでは特に目立った。
実際、周辺のコンビニエンスストアでは、サポーターが缶ビールやおにぎりを買い求める列ができる一方で、店員への暴言やゴミのポイ捨てといったトラブルは報告されなかった。渋谷警察署の担当者は「例年に比べて落ち着いている。互いに譲り合う姿勢が見られ、大きな混乱はなかった」と語る。
一夜明けた渋谷には、歓喜の余韻とともに、一種の「成熟した熱狂」が刻まれていた。サポーターたちは自分の感情を爆発させながらも、公共の場での振る舞いを意識する。この二律背反のような光景こそが、2026年のW杯がもたらした新たな日本の風景かもしれない。