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「第一志望企業のインターンに落ちました。本選考ももう難しいのでしょうか」――毎年この時期になると、就活生からこうした相談が数多く寄せられる。
近年は就職活動の早期化が進み、夏のインターンシップは採用活動の重要な接点となっている。そのため、志望企業のインターンに参加できなかっただけで「もうチャンスはない」と感じてしまう学生は少なくない。
しかし、その判断は早計だ。インターンの結果だけで本選考の合否が決まるわけではない。実際、インターンに参加できなかったのに、その後の本選考で志望企業から内定を獲得した学生は珍しくない。では、なぜ逆転が起こるのだろうか。
一つ目の理由は、インターンと本選考とでは企業の選考目的が同じとは限らないことだ。インターンは限られた日程と受け入れ人数の中で参加者を募るため、応募者が数千人規模になることもある。能力だけではなく、募集枠や日程、プログラムとの相性など、さまざまな要素が結果に影響する。
一方、本選考ではエントリーシートや適性検査、複数回の面接を通じて学生を多面的に評価する。インターン選考では伝え切れなかった強みが、本選考で評価されることは十分あり得る。
二つ目は、本選考までに学生自身が成長できる時間があることだ。これまで多くの就活生を見てきたが、インターンで悔しい思いをした学生ほど、その経験を次の行動につなげているケースが多い。
共通しているのは、結果だけを気にするのではなく「なぜ通過できなかったのか」を冷静に振り返っている点だ。自己PRは企業の求める人物像と結び付いていたか、志望動機は企業研究の説明だけになっていなかったか、面接では質問の意図に答えられていたか。こうした点を一つずつ見直し、改善を重ねている。
さらに、他社のインターンや選考を経験する中で、自分の強みや課題を客観的に把握し、伝え方を磨いている。夏の時点ではうまく言語化できなかった経験も、秋から冬にかけて整理され、本選考では自信を持って語れるようになる学生は多い。
企業が本選考で見ているのは「夏のインターンでどうだったか」だけではない。採用担当者が知りたいのは「入社後に活躍できる可能性があるか」だ。本選考までの数カ月で企業理解を深め、自分の考えを整理し、伝える力を高めてきた学生は、インターン参加者と同等か、それ以上に評価されることもある。
もちろん、インターンに参加できれば企業理解を深める機会になり、社員と直接話せる利点もある。しかし、それは数ある機会の一つにすぎない。参加できなかったことだけで可能性を閉ざすのは、非常にもったいない。
就職活動は一度の結果で決まる短距離走ではない。本選考までの時間をどう使うかで、評価は大きく変わる。インターンで思うような結果が出なかったとしても、その経験を次の改善材料にしてほしい。不合格という結果ではなく、その後の行動に目を向けた学生こそが、納得のいく内定を手にしている。(「内定塾」講師 齋藤弘透)