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ニュル24時間を走る1周1周が、PROXESを進化させる。トーヨータイヤの挑戦

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Kenji Watanabe
自動車 - 01 8月 2026

世界でもっとも過酷なサーキットと称される、ドイツ・ニュルブルクリンク。一周約25km、170を超えるコーナー、約300mの高低差。天候も路面温度も刻々と変化し、24時間レースでは夜の暗闇、多数の車両が入り乱れる混走、予測できないアクシデントまで加わる。

だからこそ、ここはドライバーだけでなく、タイヤも試される場所だ。TOYO TIRESにとって、ニュルブルクリンクはグローバル・フラッグシップタイヤブランド「PROXES」を鍛える、実戦開発の最前線でもある。レースでありながら、24時間にわたって続く開発テストでもあるのだ。

2026年のニュルブルクリンク24時間レースに、TOYO TIRES with Ring Racingは3台体制で挑んだ。最高峰SP9クラスの#32『メルセデスAMG GT3』、SP10クラスの#170『TOYOTA GR Supra GT4 EVO2』、そしてVT2-RWDクラスの#520『TOYOTA GR Supra』。

異なるカテゴリーと役割を担った3台は、それぞれに厳しい24時間を走り切り、次なる進化へつながるデータと経験を持ち帰った。

2026年、TOYO TIRES with Ring Racingはニュルブルクリンク24時間レースの最高峰、SP9クラスへ初めて挑んだ。

#32『メルセデスAMG GT3』を託されたのは、中山雄一選手、アンドレアス・ギュルデン選手、ティム・サンドラー選手の3名。世界のトップメーカーとトップドライバーが集う最激戦区で、PROXESのさらなる可能性を確かめる戦いだった。

中山選手は2026年からPROXESブランドアンバサダーを務め、タイヤ開発にも深く関わっている。レースウイーク以前のNLSでは最速ラップを記録するなど、#32とPROXESが持つスピードはすでに示されていた。

しかし、ニュル24時間で問われるのは、一周の速さだけではない。

決勝では、想定以上に低い気温がチームを悩ませた。路面温度が十分に上がらないなか、タイヤを適切な作動領域へ入れ、持てる性能を引き出すことは簡単ではない。

昼間から夕方、そして夜間へ。暗闇に包まれたノルドシュライフェでは、ヘッドライトが照らすわずかな範囲を頼りに、速度差の大きな車両を次々とかわしていく。路面のうねりや濡れた箇所、前方で起きるアクシデントの兆候まで、一瞬で見極めなければならない。

前方を走る車両から漏れたオイルが路面に広がり、それに乗った#32はコントロールを失ってガードレールへヒット。ドライバーの操作だけでは避けることが極めて難しいアクシデントだった。

最高速域と狭いコース幅が隣り合わせにあるニュルでは、わずかなオイルも重大な事故につながる。幸いマシンの損傷は致命的なものには至らず、#32はピットへ戻り、修復を経てレースへ復帰した。

そう振り返った中山選手の言葉には、この場所で24時間を走り切る難しさと、再びコースへ戻れたことへの安堵が滲んでいた。

だが、レースはまだ終わらない。日曜の午前になると比較的陽が差す時間が長くなり、路面温度は上昇していく。終盤には雨もコースを濡らし、タイヤ選択とペースの判断は再び難しさを増した。

それでも#32は、修復されたマシンで一周ずつ距離を重ねた。ギュルデン選手、サンドラー選手、中山選手の3名がバトンをつなぎ、最後まで安定したペースを刻み続けた。結果は総合17位、SP9クラス16位。日本人ドライバーが乗るマシンとしては総合最上位となった。

中山選手は、マシンも自身も大きなダメージから戻れたことに安堵するとともに、修復後も最後まで諦めず走り切ったチームへの感謝を口にした。簡単なレースではなかったからこそ、そこで得た経験を必ず次につなげたいと前を向く。

もちろん、中山選手もチームも、この順位だけで満足しているわけではない。それでも、初めて最高峰SP9クラスで挑んだ24時間で、低温、夜間、雨という24時間ならではのコンディション変化を経験し、最後まで走り切った意味は大きい。

PROXESをさらに速く、さらに強くするための基準は、世界最高峰のなかでこそ見えてくる。#32が刻んだ一周一周は、次なる進化へ向けた確かなデータとなった。

SP10クラスの#170『TOYOTA GR Supra GT4 EVO2』は、ジュリアーノ・アレジ選手、小高一斗選手、小山美姫選手、奥本隼士選手の4名で24時間に挑んだ。

小高選手と小山選手は、2026年のSUPER GT GT300クラスでも同じマシンをドライブするチームメイトだ。互いの走り方や、マシンから受け取る情報の伝え方を理解している関係性は、4人で一台をつなぐ24時間レースでも大きな強みとなった。

さらに#170は、4月に行われたニュル24時間の予選レースでSP10クラス優勝を達成。2024年にはNLSの同クラスでシリーズチャンピオンも獲得しており、クラス優勝候補の一台だった。

決勝でも#170は、序盤からその期待に応えるスピードを見せた。ジュリアーノ選手は、速度差の異なる車両がひしめくなかでも、わずかな隙を見つければ迷わず前へ出る。SUPER GT GT500やヨーロッパで培った経験を武器に、攻めるべき瞬間を見極めて#170をクラス上位へ押し上げた。

ただ勢いに任せるのではなく、交通状況を読み、タイヤとマシンの状態を感じ取りながらチームに流れを引き寄せる。その速さは、4人のレースを組み立てる起点にもなっていた。

その勢いを受け継いだ小高選手も、攻める姿勢を緩めない。マシンを確実に次へ渡す冷静さを保ちながら、前が開けば鋭く踏み込む。序盤から中盤にかけて、二人の積極的な走りが#170のレースを形づくった。

ところが、混走のなかで避けることの難しいレーシングアクシデントに巻き込まれ、#170は大きな後退を強いられた。

自分たちに大きなミスがなくても、周囲で起きた出来事によって順位も戦略も崩れてしまう。それもまた、ニュル24時間の厳しさだ。

それでも4人は戦いを終わらせなかった。大きく崩れたレースを落ち着かせたのは、小山選手だった。目まぐるしく変化する路面と交通状況を受け止めながら、粘り強くラップを重ねていく。

昼間から夜間まで多様な状況を経験した小山選手は、「さまざまな状況を走れたことで、経験値が増えた」と振り返った。SUPER GTで得た知見をニュルへ持ち込み、ニュルで磨いた対応力を国内へ持ち帰る。異なる舞台での経験が互いを高め合う手応えも得たという。

夜が深まるなか、ニュル24時間初挑戦の奥本選手にもステアリングが託された。「…マジですか?」とニュル24時間への参戦話を聞いた際、奥本選手は思わず何度もそう聞き返したという。

ラジコンレースの世界大会を制し、実車レースへ転向。2025年にはSUPER GTのGT300クラスで表彰台に立った若手にとって、これまでニュルブルクリンクを走った経験はあっても、昼夜をまたいで戦う24時間レースはまったく異なる舞台だった。

実際にレースへ入れば、その難しさは想像をはるかに超えていた。狭いコース幅、絶えずマシンを揺さぶる路面、ブラインドコーナーの先に現れる速度の異なる車両。そして夜になれば、視界はヘッドライトの光に限られる。

そう振り返るコースを、奥本選手は若手らしい吸収力で走り切った。ニュルでの経験を土台にしながらも、先輩ドライバーやチームから得た24時間レースならではの情報を自らの走りへ落とし込み、思い切りの良さと耐久レースに必要な慎重さの両方を見せながら、自身のスティントを確実につないだ。

ジュリアーノ選手の経験と突破力。小高選手の鋭さと冷静さ。小山選手の安定感。そして奥本選手の吸収力。キャリアも武器も異なる4人だったが、目指すゴールは一つだった。

夜を越えると、ジュリアーノ選手と小高選手が再びペースを引き上げる。失った順位を一つでも取り戻すため、4人は最後まで攻める姿勢を失わなかった。

#170は総合42位、SP10クラス5位。小山選手は結果への悔しさをにじませながらも、大きく崩れた状況から4人で最後までレースをつないだ経験は、必ず次につながると前を向いた。

優勝候補として速さを示しながら、不運によって崩れたレースを組み立て直し、24時間のチェッカーへたどり着いた。その粘りは、#170が耐久レースを戦い抜く強さも持っていることを示した。

VT2-RWDクラスには、#520『TOYOTA GR Supra』が参戦した。

ドライバーは宮園拓真選手、川畑真人選手、松山北斗選手、堀野仁選手。eモータースポーツの世界王者と、ドリフト競技の最前線で活躍してきた3名による、異色の顔ぶれだ。

宮園選手は、eモータースポーツで世界を制した実績を持つ一方、トーヨータイヤの商品企画部に所属する社員でもある。

ドライバーとして感じ取ったタイヤの挙動を、商品企画や開発の現場へ直接持ち帰る。会社員であることが、レースとタイヤづくりをつなぐ強みになっている。

バーチャルでコースを熟知していても、現実のニュルは別物だ。路面から伝わる衝撃や振動、変化する視界とタイヤの感触、コースサイドを埋め尽くす観客の熱気は、宮園選手の想像を超えていた。

川畑選手、松山選手、堀野選手にとっても、長時間にわたり安定したペースで走り、マシンを次のドライバーへ渡す耐久レースは、ドリフトとは異なる挑戦だった。

一方で、マシンが限界を越えようとする瞬間を感じ取り、姿勢を立て直す能力は、ドリフトで磨いた彼らの武器でもある。4人はそれぞれの経験を持ち寄りながら、変化し続けるニュルを一周ずつ攻略。#520は大きなトラブルを避け、着実に周回を重ねていった。

そしてレース終盤。ドライバーにもマシンにも疲労が蓄積し、タイヤにも長時間走行の負荷が残るなか、宮園選手は#520のファステストラップを記録した。

24時間を通して得た情報を、自らの感覚のなかで整理し、最後の最後に速さとして表したのだ。#520はVT2-RWDクラス4位で完走。表彰台には一歩届かなかったものの、初挑戦で24時間を走り切り、終盤には確かなスピードも示した。

バーチャルで培った精密さと、実車で積み重ねた感覚が重なり、経験は確かな速さへと変わっていた。

ニュル24時間で得た経験が、本当に次の速さへ変わったのか。その答えは、約1か月後に行われたNLS第6戦で示された。

TOYO TIRES with Ring Racingは、ニュル24時間で得たデータをもとに、セットアップやタイヤマネジメントをさらに煮詰めてNLS6へ臨んだ。

走って課題を見つけ、改善し、再びニュルへ持ち込む。その開発サイクルこそ、TOYO TIRESがこの場所で挑戦を続ける理由の一つでもある。

#32『メルセデスAMG GT3』は安定したペースと堅実なレース運びを続け、TOYO TIRESのSP9参戦における過去最高位となる総合8位でフィニッシュ。24時間で得たデータが、最高峰クラスの上位勢へ食い込む速さへと変わった。

#170『TOYOTA GR Supra GT4 EVO2』も、ニュル24時間での不運を吹き飛ばすような快走を見せ、SP10クラス2位を獲得。本来持っていた速さを、今度は確実にリザルトへ結びつけた。

さらに#520『TOYOTA GR Supra』もVT2-RWDクラス2位。24時間を戦い抜いて得たマシンへの理解を生かし、念願の表彰台へたどり着いた。

最高峰SP9で過去最高位。SP10とVT2-RWDでは、そろってクラス2位。それは単なる偶然の好成績ではない。

24時間で課題を見つけ、チームとドライバーが共有し、タイヤと車両を改善して再びコースへ戻る。ニュルブルクリンクを実戦開発の場として挑み続けてきたからこそ生まれた結果だった。

ニュル24時間は終わった。しかし、PROXESの挑戦は終わらない。一周一周で積み重ねた経験は、次の一周をもっと速くするためにある。

本日8月1日、日本時間19時。NLS第7戦がスタートする。ニュルブルクリンクでPROXESを鍛え続けるTOYO TIRESの2026年シーズンは、ここから後半戦へ突入する。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、Response.jpの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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