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各国の対テロ・治安機関の間で、イスラム国(IS)崩壊後にシリアやイラクから帰還したり他国に潜伏したりしたジハード主義者らが、各地でテロネットワークを形成する脅威がクローズアップされている。4月21日に日本人を含む250人以上が犠牲となったスリランカの連続自爆テロは、まさにこの脅威が顕在化したケースだ。
今回のテロでは、スリランカ最大都市コロンボなどで、キリスト教会や外国人の利用客が多い高級ホテルが狙われた。標的の選び方や民間人が密集した場所での自爆手口からイスラム過激派の関与が疑われ、約2日後にISが実行犯らの映像を含む犯行声明を出した。だが、それをもっとも認めたがらなかったのは、ほかならぬスリランカ当局だった。
「マフィアが、麻薬シンジケートへの捜査を攪乱するために事件を起こしたとの見方が(スリランカ当局内に)あるのだが、どう思うか?」ある国際テロ情報筋は、事件の数日後にスリランカ治安当局幹部からこんな質問を受け、「驚愕した」という。あまりにも現実からかけ離れた見方だったからだ。
実はスリランカには事件の10日前、インド情報機関から、イスラム過激派によるテロ計画が進行中だとの情報がもたらされていた。産経新聞が入手した内部文書などによれば、首謀者をはじめとする幹部やその親族らの所在、携帯電話番号、行動パターンなどが記されており、政府上層部に回覧されていた。
また、その数週間前には、国連などを交えて、IS戦闘員の処遇や社会復帰支援などを協議する地域会合がコロンボで開催されている。スリランカ側はその際、同国出身のIS戦闘員が帰国したり、他国出身のIS戦闘員がスリランカに潜入したりする動きが出ている、との警告を受けていたという。
こうした事前警告が生かされなかった背景には、スリランカ当局内の認識不足や情報共有の不徹底があったとみられる。IS戦闘員の拡散は国境を越えた脅威であり、国際社会の緊密な連携と情報分析の強化が不可欠となっている。